未来はあまりに遠いし、おれはもう待てない

SF小説やプログラミングの話題を中心とするフジ・ナカハラのブログ

SF創作講座第6回を終えて

一昨日、ゲンロン 大森望 SF創作講座 第3期 の第6回講評会が開催された。 今回のゲスト講師は、長谷敏司 @hose_s 氏と、早川書房溝口力丸 @marumiizog 氏だ。

第6回の課題は「キャラクターの関係性で物語を回しなさい」というもので、25編の梗概が提出された。 私は『透明な血のつながり』というタイトルのものを書いた。 この講座では、審査員が提出された梗概の中から3または4編を選出し、選ばれた受講生は次回までに実作を書くことになっている。 今回、私の作品がその内の1編として選出された。

また、第5回課題「来たるべき読者のための「初めてのSF」」で選出された4編と自主提出8編の実作講評も行われ、10点+未提出者18名分の18点の計28点が各作品に割り振られた。 今回、私は実作を提出していない。

課題について

今回の課題「キャラクターの関係性で物語を回しなさい」は、詳細で次のように書かれている。

キャラクターを二人以上作って、その人間(?)関係で回る物語を作って下さい。

キャラクターがSFらしいギミックを背負っているようにしてください。(中略)キャラクターの関係がSFらしいギミックになっているものでもありません。

比較的わかりやすく、また、「講座」らしい課題だと思う。

しかし、第2回課題で提出した『サイボーグ・クラスメイト』ですでにSFらしいギミックを背負ったキャラクターは描いているし、そうしたキャラクターを中心に物語を回す書き方が私にはあまり向いてなさそうだということもわかっている。

そこで、今回は「キャラクターの関係がSFらしいギミックになっているもの」を考えることにした。

作品について

SF的なギミックを使って「親子」という関係を変容させてみた。 提出した梗概とアピール文に書きたいことはだいたい書けたので、あまりここで補足することはない。

今回、実作を自主提出しようとしていて(完成しなかったが)、梗概に取り組み始めるのがかなり遅くなってしまった。 締切前日にようやくアイデアが生まれて、当日は有給をとって一気に書き上げた。 その割にはうまくまとまったんじゃないかと思う。

講評について

長谷氏と溝口氏の二名に丸をいただいた。 溝口氏の評価は上から3番目だったとのこと。

大森さんには、「SF的には『すばらしい新世界』に重なるところがある。あえて今これを書く意義は感じられなかった」というようなコメントをいただいた。

じっさい、『すばらしい新世界』は梗概を書くときからかなり意識していた。 個人的には、テーマの焦点を『すばらしい世界』からずらしたつもりだったが、そこまで大きな違いには見えなかったようだ。 今回、実作へ進む4作の1つとして選出されたので、そちらで挽回したい。